5月31日、国税庁は「令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」を公表しました。
土地や株式などの譲渡所得金額の増加とともに、インボイス制度導入によって、消費税の申告件数が大幅に増加しています。
所得税:不動産や株の譲渡所得が増加
所得税の確定申告書の申告人員は2,324万人であり、前年比で1.3%増加とのこと。
そのうち、土地等の譲渡所得の申告人員は55.5万人(前年比+0.5%)であり、その所得金額6兆832億円(同+11.8%)は、平成15年以降で最高値となっています。
また、日経平均株価の上昇などの理由により、株式等の譲渡所得も増加しており、申告人員は115.5万人(同+6.7%)、 所得金額は5兆6,641億円(同+39.4%)にまで達しています。
消費税:インボイス制度により申告件数、納税額が増加
令和5年10月からインボイス制度が開始したこともあり、令和5年分における個人事業者の消費税の申告件数は197.2万件(前年比+86.9%)となり、令和4年分に比べて91.7万件増加しています。
申告納税額も6,850億円(同+9.1%)となり、インボイス制度開始による影響が伺える結果といえるでしょう。
また、免税事業者からインボイス発行事業者となった87.5万人のうち、「2割特例」を適用した事業者は73.4万人であり、約83.9%が「2割特例」を適用して申告しています。
まとめ
令和5年分の確定申告に関する統計が公表され、所得税や消費税の申告状況が明らかとなりました。
特に昨年10月に導入されたインボイス制度の影響により、消費税の申告件数は大幅に増加しており、個人事業主に対するインパクトの大きさを物語っているといえるでしょう。